自分よりデキル人がいるのに独立するんですか?と聞かれた話。

僕はWEBサービス会社の内製デザイナー時代、2年くらい副業でもデザイナーをやってフリーランスへ独立した経緯があります。

オープンな会社だったのと、それなりの副業期間だったので、フリーランスになるのは社員もみんな知っていました。

そんな中、退社の1週間前くらいだったと思うんですが、とある後輩に「自分よりデキル人がいるのに独立するんですか?」と聞かれたのが記憶に残っています。

なんてストレートな質問なんだと驚きつつ、僕は「1番デキル人だけが市場を回してる訳じゃないんじゃないかな」と答えた気がします。

この後輩は非デザイナー職でしたが、デザインを勉強して自分も独立したいと志望していたので、彼自身の漠然とした不安が質問の背景にあったのかもしれません。(それか僕がめっちゃしょぼい)

その後僕はフリーランスとして2年、法人化を経て今もWEB屋さんとして働いている訳ですが、この疑問は独立を迷っている人みんなが抱えているポイントなんだと思います。

そこで今日は、彼の疑問と当時の僕の考え、独立を経験した中で実際どうだったのかを振り返ってみたいと思います。

なお、僕はこの記事で独立する/しない、どちらの意見も斡旋するつもりはありません。

彼と同じような疑問を感じている人が、自分にあった選択肢を考える時の参考とできるよう、経験談を一生懸命書いてみます。

自分よりデキル人がいるのに独立するのか?の中身

後輩は質問前、僕を評価していることを丁寧に前置きしてくれましたが、この疑問に含まれる気持ちを噛み砕いてみると

  • 上には上がいる
  • 1番デキル人じゃなきゃ仕事は取れない

のようなメッセージが含まれていたんだと思います。

上には上がいる

WEB制作業は飽和しているし、ちょっと見渡せばカッコいいデザインを作っていたり、大手の広告を手がける会社が山ほど見つかります。

内製デザイナーから駆け出しの僕が、受託制作で何年も実績を積み重ねている企業や人と比べれば、優っていることより、劣っていることの方が圧倒的に多いのが現実でした。

1番デキル人じゃなきゃ仕事は取れない

デキル人と駆け出しのどちらに発注するか聞かれたら、よほど趣味の発注でもなければ駆け出しを選ぶことはないでしょう。

僕はずば抜けたデザイン力も、独自のサービスも、強力なコネも無かったので、確かに市場で生き残ることは出来ないんじゃないか?ってのも尤もな意見です。

1番デキル人だけが市場を回してる訳じゃない

一方で、彼の質問に対する僕の返答は以下のような考え方が背景にありました。

  • 1番デキル人に全員が依頼する訳じゃない
  • 1番になるまで待っていたら一生独立できない
  • 今の自分じゃなく、自分の成長する力を信じている

1番デキル人に全員が依頼する訳じゃない

そもそも「デキル」ってなんなんだという話ですが、スキルレベルや対応品質が高いこと、コストパフォーマンスなど、ビジネスにおいて何が1番なのかは人や状況によって様々だと思います。

また、1番デキル人が市場すべての依頼に対応できるのかと言えば、リソースの問題もあるので、実際には多様なレベルの会社が存在している訳です。

これは副業として未熟ながらも依頼を貰えてきた経験から「1番デキル人ではない、だけど僕でも勝てる競合は多い」と感じていたことが理由でした。

1番になるまで待っていたら一生独立できない

仮にスキルレベルが高い人を1番デキル人と考えた場合、今市場で1番な人も最初からずっと1番だった訳じゃないと思うんですよね。

長年働く中で試行錯誤を繰り返してきた結果が今の実力なんだろう、と。

もし1番になってから独立をするなら、先人と同じだけの時間を社員として働きながらレベルアップしていくということですよね。

僕は社員としてもデザイナーだったのでまだいいですが、もし社員としての業務が独立の方向性と違うなら、更に多くの時間が必要になるでしょう。

本当に正直に言えば、自分が1番デキル人に至らない可能性の方が大きいので「1番になってから」という基準には求める未来が無いと感じたんです。

今の自分じゃなく、自分の成長する力を信じている

WEBデザイナーとして僕が成長してきた道のりは以前以下の記事でもまとめましたが、若さもあり短い時間で大きく成長できたと自負しています。

自分がまだまだ未熟なのは百も承知ですが、苦しみながらも1年前、1ヶ月前、1日前の自分から成長してきたことに目を向け、当時の自分自身ではなく、そこまでこれた「自分の成長する力」を信じることにしました。

最初から完璧な自分を作るんじゃなく、独立してからも成長していけば必ずやっていけるという考え方ですね。

独立後実際どうだったのか

そんな後輩と僕、それぞれの考え方を踏まえて、いざ独立後どうだったを振り返ってみます。

ピンポイントなデキル人になることで受注は好調

結果的には1年目から社員時代以上の収入を得る事ができ、2年目には社員時代の倍程度の年収に。

フリーランスながらSEOで上位表示できていたり、低価格で地域内で平均以上の品質ではあったので、右肩あがりに仕事が増えるありがたい毎日。

このことから、総合的にデキル人じゃなくても、値段やコストパフォーマンス、SEOなど、ピンポイントでもデキル人なれば仕事は取れるんだと実感できました。

おかげで資金も順調に貯まり、3年目突入に合わせて法人化することもできました。

スキルアップは想定通りにいかなかった

社員時代は帰宅後が副業やスキルアップの時間でしたが、独立すればすべて自分の時間。

「これでスキルアップも捗るはず!」

なんて思っていました。

ただ、入ってくる依頼は今の自分に沿ったものが多いため、気を抜くと同じことの繰り返しになりがちで、使うスキルや守備範囲がどんどん狭くなってしまいます。

独立直後は暇なときにプログラミングの練習をしたり、サービスを作ってみたりできたのですが、事業が軌道にのるに連れそんな時間はなくなり、結局睡眠を削って勉強する時代に逆戻り。

さらに法人化以降は経営も考えなくてはいけなくなり、スキルアップに使える時間は一層減ってしまいました。

正直「デキル人」への道のりは、社員時代より遠のいてしまったと思います。

まとめ

「自分よりデキル人がいるのに独立するんですか?」と質問した後輩と、「1番デキル人だけが市場を回してる訳じゃないんじゃないかな」と答えた僕。

実際に経験してみて、デキルデキナイについての返答としては合っていたと思います。

ただ、「スキルアップして自分自身の市場価値を上げたい」という思いが強いなら、独立するより制作会社などで社員として働き、プライベートの時間を使って勉強する方が効果的。

それが今の僕の考えです。

僕が独立を決めた動機もまさしくこれだったので、求めた未来への選択として独立は間違っていたのかもしれません。

ただ、幸い僕は経営に面白さを感じているので、今は自分ではなく組織として市場価値を上げていけるように奮闘中です。

僕の場合は、1人で品質と収益を上げつづけることが出来ないと考えて法人化を選びましたが、フリーランスとして継続する選択も当然ありです。

もしあなたが独立を迷っているなら、デキルデキナイじゃなく、「自分がどうなりたいから独立しようとしてるのか」を考えてみて欲しいと思います。

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