これまで企業デザイナーからフリーランス、法人化とWEB制作事業を運営してきましたが、法人化以降「経営と制作を切り分けたい」と漠然と感じることが多くなりました。
※この記事で言う切り分けとは、各作業の担当人員を別にするという趣旨で記載しています。
今後採用を開始した時のスタッフマネジメントにも影響しそうな問題だなと感じたので、「経営」と「制作」に課題を感じた背景と、そのメリット・デメリットを整理してみたいと思います。
目次
今の事業環境
まず、この課題を感じている今の事業環境を確認してみます。
- 社員(役員)は代表の自分1人
- 企画構成/ワイヤー/デザイン/コーディング/CMS設置カスタマイズ/などWEB制作の作業全般を内製
- SEO/広告運用/システム開発などはパートナーへ外注
- 外注デザイナーが1-2名
- 直案件8割:下請案件2割
- 新規案件1-3件(小中規模)/月
とまあご覧の通り、屋号が法人になっただけのフリーランスみたいな体勢で、嫌が応にも「経営」と「制作」は全て自分でやることになります。
「経営」と「制作」の矛盾
僕のように中小零細企業で経営者兼制作者として働いていると、以下のような「経営」と「制作」の矛盾が発生すると思います。
〝制作者目線では「最高の状態」を目指して、妥協なくじっくりと検討調整を行いたいが、経営者目線では予算(工数)の中で納品しなくてはいけない。〟
や
〝制作者目線では軽微な機能拡張などは適宜対応したいが、経営者目線では見積を超える内容は軽微であっても別途見積としたい。〟
もしくは
〝経営者目線ではクライアントとの関係性を考えて臨時、好みに沿った対応などを行いたいが、制作者目線では(本来の目的に対して)無意味な作業を行いたくない。〟
など。
上例の良い悪いは別として、こういった矛盾こそが僕が「経営」と「制作」を切り分けたいと感じた原因でした。
制作のストレスが経営に影響する、経営のストレスが制作に影響する、嫌ですよね?
「経営」と「制作」を切り分けた場合のメリットデメリット
そこで「経営」と「制作」を切り分け、つまり制作者を別に採用した場合に得られるメリットや、デメリットについて考えてみます。
メリット
経営面
- 制作を固定給のスタッフが行うので、自分自身が工数と案件単価の違いに磨耗しにくくなる
- 工数による見積の他、クライアントとの関係性を踏まえた見積といった判断が可能になる。
制作面
- 案件ごとの単価を気にせず、常に制作品質を高めることに集中できる
デメリット
経営面
- 制作作業についての当事者意識が薄まるので、制作者を圧迫し過ぎない工数やモチベーション管理が必須
制作面
- 全ての案件に対して同じレベルで制作品質を高めるため、工数が膨れやすい。
※便宜上デメリットとしているものの、いずれも意識して当然の内容だと思います。
まとめ
メリットデメリットの通り「経営」と「制作」を切り分ける時、制作者が最大限の能力を発揮できる業務量を、経営者がしっかりとマネジメントすることが大切なんだと思います。
固定給の制作者を使い倒すような運用だと一瞬で現場が崩壊してしまいそうです。
今回記事としてまとめる中で、「経営」と「制作」の切り分けで、問題となっていた矛盾を完全に払拭するのは難しいと感じました。
とはいえ経営者が経営に専念することは事業を継続発展するには必要なので、今後僕自身が採用を行う際、役割分担が責任の押し付けにならないように注意したいと思います。
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